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感想文

本や映画や、いろんなことの感想文を書いています。

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大野正人作『夢はどうしてかなわないの?』を読んだ

読書感想文

 

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

 

 

長女が、学校の読み聞かせで読んでもらったらしく、面白かったから買ってほしいと、珍しく自分から欲しがった本。

 

 

 

たとえば学校の先生が授業で夢について話すとき

どんな話を引き合いに出すかはいろいろあるだろうけれど、きっと結論は1つ。

 

『叶うと信じて一生懸命頑張れば、絶対に夢は叶えられる』

 

なんじゃないかと思う。

 

そりゃそうだよね。

サッカー選手になりたいと夢見る小学生に向かって

なれないかもしれないよ?

とは、先生は言わないでしょう。

 

 

でも、この本の結論は違う。

この本の最後のページには

 

 

夢がかなうことはない

 

 

と、きっぱりはっきり明記している。

 

本の中身は、多くの子供たちが食いつきやすいであろう、RPG仕立ての冒険物語。

 

『夢中になる力』を胸に輝かせた3人の子供たちは、『夢の世界』への『入場券』を手に入れ、夢の世界を冒険しながら、夢をかなえるための道を進んでいく。

 

道の途中では『ショーキョック』『オクビョー』など、色々な悪魔が現れ、行く手を阻む。

 

『モーソー』は、1つだった夢を、あんな夢、こんな夢と、選択肢を増やしていき、迷った女の子は、たくさんの扉のある、夢の世界への入り口に戻されてしまう。

 

『クーキョ』が現れると、今まで夢中だったこと、好きだったことが好きでなくなり、子供の頃の夢が終わる。

 

野球選手を夢見ていた男の子は『ザセツ』に出会い、自分には才能がないのかもしれないと、夢をあきらめそうになる。

 

立ちはだかる悪魔を乗り越えても乗り越えてもまた、『ゴーヨク』『マンシン』『グドン』『ダキョー』『ショウソウ』・・・別の悪魔が次々と3人に襲い掛かる。

 

 

 

そして数年後。

 

 

大人になった3人は、夢をかなえたのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪魔と戦いながら、夢へ向かって冒険の旅をしていた3人の子供たちは、子供の頃、夢に描いていた職業とは、全く違う職業に就いている。

 

 

そう。

夢はかなわなかったのだ。

 

 

大事な試験のときに風邪をひいしまったり

才能が足りなかったり

どんなに頑張っても

運やタイミングが悪くて

夢がかなわないことがある

 

 

 

小学生向けであろうこの絵本は明記している。

 

ここで驚くのは

病気や運やタイミングなど

自分ではどうすることもできないこと

外的な要因で、夢がかなわないこともある

と、はっきりと言っていることだ。

 

 

だけど

 

いくつになっても新しい夢を見ることができる

 

『なりたい自分』こそ夢の正体

 

『なりたい自分』は、いつもみらいにある

 

だから、夢がかなうことはない。

 

こんなのただの屁理屈?

 

いや、屁理屈なんかじゃない。

 

ここで大事なのは

 

夢とは、いつもみらいにあるもの

 

だということだ。

 

かなわなかった夢があったとしても、その夢は過去の夢。

今の夢じゃないということ。

 

夢がかなうか、かなわないかが重要なんじゃなく

大切なのは

 

今、夢をかなえるために

『なりたい自分』になるために

光かがやく努力の道を冒険しているかということ。

 

 

 この絵本の中で私が1番印象に残った悪魔の名前は『ユメ』

『ユメ』は本文中の記載ではなく、絵の中の悪魔カード?の1枚として出てくる。

 

悪魔『ユメ』の説明はこうだ。

 

夢をあきらめきれずにいると現れ、つぎの夢を見られないようにする。

 

そしてそんな『ユメ』の倒し方は

 

夢をあきらめるか、もっと努力して倒すか、人生をかけて決める。

 

 

 

 

私にはあきらめた夢がある。

 

中学生の頃、獣医になりたかった。

だから獣医学部のある大学の、付属高校を受験したかった。

だけど。

母に許してもらえず

支配的だった母の希望通り

女子大付属の女子高へ進学した。

そして

親にばれないように

学校をさぼりまくった。

学校へ全く行く気になれなかった。

 

大学では生物分子工学を勉強したかった。

だけど、希望していた大学は、結局補欠のまま繰り上げられず

合格していた別の大学の別の学科へ進学した。

付属の女子大へ行かず、他大学を受験するだけでも

母の猛反対を蹴ってのことだったのに

浪人させてくれとはとても言い出せなかったのだ。

そして大学でも勉強する気になれず

単位を落としまくり

お情けで卒業させてもらったようなものだ。

 

私の夢は私の母につぶされた。

ずっとそう思って生きてきた。

 

しばらく忘れていたその思いは

自分の子供が成長し、将来の夢を語るようになるにつれて、むくむくと復活し

子供の夢を応援するどころか、それをつぶし

自分の思い通りにしようとした母への恨み

そんな母の支配に屈してしまった悔恨

それをいつまでも根に持ち続けている自分への嫌悪感

 

最近はそれらの思いが大きな比重を占めるようになり

 

もし獣医学部に進学していたら

とか

もし生物分子工学の研究の経験があったなら

とか

 

過去に手放した選択肢を思う時間が増えていた。

 

きっと、悪魔『ユメ』がとりついたんだと思う。

 

『ユメ』を倒すためには、あきらめるか、もっと努力するか、人生をかけて決めなくちゃいけない。

私にはまだ、その人生をかけた決断ができずにいて、だからこれからもしばらくは『ユメ』にとりつかれているんだと思う。

 

だけど

 

 

夢がかなわかった今この場所にいても

 

『なりたい自分』を夢見て、みらいへ向かって努力することはできる。

 

そうしてかがやく努力の道を進み続ければ

いつかきっと

『ユメ』は光の中へ成仏していくに違いない。

 

 

 

絵本にでてきた3人の子供たちもまた

夢はかなえられなかったけど

大人になってからもずっと

新しい夢にむかって、努力の道を進んでいた。

 

 

 

この絵本のラストに何度もくりかえし出てくるフレーズ

 

 

夢とは、みらいにあるもの

 

 

振り返って足踏みしていた私に、そのことを教えてくれた絵本。

 

ひらがなも多く

すべての漢字にふりがながふってあり

 

小学校低学年から1人で詠めるボリュームです。

 

 

あんまり教訓じみた絵本は好きじゃないんだけど

この本は買ってよかった。

 

 

 

夢をかなえられる人なんてほんの一握り。

経済的な事情や

親との固執や

自分の体調や

その他のいろんな

自分ではどうすることもできない納得のいかない諦めががつかない事情で

夢を諦めなければいけなかった人の方がずっと多いのだと思う。

 

理想論や机上の空論じゃなく

そんな真実をちゃんと見据えて

それでも夢を語る絵本。

 

 

すべての大人たちとすべての子供たちに

オススメです!!

 

 

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

夢はどうしてかなわないの? (こころのえ?ほん)

 

 

 

 

 

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